HOME » 効果的な治療法とは? » 使用法に注意!外用薬
肝斑治療に用いられる外用薬としては、トレチノインがよく知られています。
トレチノインとはオールトランスレチノン酸ともいい、ビタミンA(レチノール)の誘導体です。
その生理活性作用はビタミンAの薬50~100倍もあります。
トレチノインは誰もが血液中にごく微量流れているので、
抗原体反応やアレルギー反応の心配がないとされています。
トレチノインをシミ治療に使う作用としては、角質をはがし、表皮細胞の分裂と増殖を促し、
ターンオーバーを促進するという形になります。
おもに患者が自分で軟膏を塗るという形で、いくつかの濃度もある外用薬です。
しかしながら、トレチノインもトラネキサム酸と同様、使用には十分な注意が必要です。
まず、重大な事象として、動物実験では大量に内服することで奇形が生じるケースが知られています。
そのため人間もトレチノインを使用するときは避妊を行なうよう薦められています。
米国ではシワやニキビの治療薬として認可されていますが、日本では認可はされていない薬なのです。
トレチノインは強い薬ですが、すぐ効くわけではありません。
シミに対する治療として使う場合、漂白期間と炎症を冷ます期間がそれぞれ数週間ずつ必要となります。
つまりトレチノインの軟膏を肝斑対策として塗っても、治療に時間がかかるという難点があるのです。
トレチノインの作用で皮膚の角質層がはがれ、赤くヒリヒリとして、痛みを伴うトラブルがあります。
これは皮膚表面のバリア機能が失われている状態で、あわせて水分保持機能も失われていくので、
皮膚はどんどん乾燥していくという現象が起こります。そのため、皮膚の保湿を十分に行なわなくてはいけません。
同時に皮膚は非常に過敏な状態になっていますので、使用する化粧品にも十分な配慮が必要になります。
トレチノインを使った治療では、
強力な漂白剤であるハイドロキノン(ヒドロキノン)を作用させて新しいメラニンの発生を抑えるという、
強い薬のダブル使いも行なわれますが、この場合、肌の状態にはとくに気を配る必要があります。
治療中は定期的に皮膚科などの医師に診てもらう必要がありそうです。
さらにトレチノインを使用している最中は、肌は非常に無防備で過敏な状態にありますので、紫外線は厳禁となります。
治療中は紫外線吸収剤などを使用していない低刺激のサンスクリーンを使う必要があるでしょうし、
中には家の窓をすべて遮光とし、数週間も外出は控える人さえいるのです。
なお、トレチノインは分解が早いため、一ヶ月ごとに新しく処方を受けるように薦められています。
保存方法は必ず冷蔵庫で保存する必要があります。
塗るだけで簡単な肝斑対策になるように感じられますが、
トレチノインは肌への負担が非常に大きいという問題と、
使用や保管にも細心の注意が必要という問題を抱えているのが実情です。